創業支援に力を入れているあさがお税理士事務所代表の伊藤です。
ビジネスを始めたての創業者に「事業専用の口座を一つ作っておいた方が良いですよ」とよくアドバイスしています。
事業専用の口座を作るメリットは、主に二つあります。
一つは、事業単体でのお金の流れをはっきりさせるためです。
法人であれば、法人口座を作れば、否応なしに個人のプライベート口座とは分けられますのであまり問題になることもないのですが、個人事業だと家賃一つとっても事業とプライベートを切り離せないことも多く、両者混在の口座となっていることも少なくありません。
ただし、事業・プライベート混在だと、事業単独でどの程度儲かっていて、どの程度支出が出ているのかが”直感的に”分かりにくくなります。
この”直感的に”というのがポイントで、この感覚がはっきりしていないと、「なんとなく良さそう」「なんとなくまずそう」というどんぶり勘定からいつまでたっても抜け出せません。
”なんとなく”が”本当に”まずい状況になる前に、事業専用の口座を作るべきだと思います。
そしてその枠内で事業を回すようにすることで、良い/悪いを繰り返しながら経営判断が磨かれていくものだと思います。
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もう一つは、記帳などの事務作業の手間を省くためです。
記帳する際に、例えば個人事業主のプライベートの支出は、「事業主貸」という科目を使って仕訳をします。
この事業主貸という科目はくせ者で、言ったら経費にも何にもならないくせに入力だけ必要だという邪魔なものになります。
ぷよぷよで言ったらあの透明なやつみたいなところですね。最近やってないですが。
事業とプライベート混在の口座を記帳する場合、否応なしにこのくせ者と戦うことになりますが、事業の口座にプライベートが混ざってなければこのくせ者は出てきません。
特に、個人事業で青色申告の特別控除を狙う場合、基本的に通帳の動き全てを記帳する必要がありますが、事業専用口座にすれば記帳の手間が断然省けます。
ちなみにクレジットカードも全く同様の考え方になりますので、そうやって事業専用のものをどんどん増やしていくことが、ご自身の事務作業を効率化させることにつながります。
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ちなみに、個人事業で事業専用口座を作ろうとするの場合、個人口座よりも屋号付き口座をオススメしています。
メリットは色々ありますが、お金を振り込むお客さんの立場に立った場合、個人名よりは屋号付きへの振込の方が、やはり事業感や信頼感を付与できると思うからです。
「あなた個人に対しての報酬」なのか、もしくは「あなた個人を含めた事業に対しての報酬」なのか。
法人でなくとも、事業性を持たせることはできるということですね。
と、いうわけで、私も早速屋号付き口座の申込をし、ようやく本日開設となりました。
本日は、午前と午後に打合せが一件ずつ。
お昼はお届け物がてら、北参道の方まで歩いてみようと思います。
それでは、今日も良い一日を!